「創立20周年記念誌」より Vol.2~あいさつ

昭和60年に制作した「創立20周年記念誌」を掲載しています。

ご挨拶

相模原市少年鼓笛パンド連盟会長
秋山清一

 身体のかくれる様な大太鼓や見るからに重たそうな楽器を手にしていた、まだ小学生だった子ども達が、立派に成長し今は指導者として甲斐甲斐しく隊員の世話をする姿に接する度に、20年という歳月の重さを思い知らされる気がします。
二度とない貴重な少年期に鼓笛活動に参加したこの子供達に何を与え、何を学んでもらうか、そのことに指導者、育成者が心を砕いてきた20年間とも言えます。
 鼓笛活動は、単に演奏技術の向上だけを目指したものではありません。音楽を通じての知育の向上、野外パレードなどによる体位の向上、奉仕活動など、情操教育の三つを柱にした全人格的な教育活動であります。私が日頃から鼓笛活動は「心と心の合奏」だと申し上げてきたのもそういう意味からです。というのも隊員、指導者、育成者が一体とならなければ、理想の実現は不可能だからです。
しかし幸いにして、子ともを思う指導者の情熱と、活動を支える育成者の協力により、子ども達もまたつらく厳しい練習に耐え、全国的にも高いレベルの鼓笛活動を繰り広げるまでに成長しました。
また指導者養成の一環として、昭和54年の「国際児童年」を契機に始めたジュニア・リーダー養成も順調に成果を収めております。
 今後、鼓笛活動が一人一人の子ども達の成長にとってますます意義のあるものになるよう、隊員、指導者、育成者が一体となって活動を進めてまいりたいと存じます。
 最後になりましたが、相模原市少年鼓笛バンド連盟が創立20周年を迎えるにあたり、今日の連盟の礎を築かれた諸先翡の御尽力と、今日までの活動を支えてくださいました多くの指導者、育成者の方々に心より感謝申し上げます。


お祝いのことば

相模原市長
舘盛静光

 相模原市少年鼓笛バンド連盟が、青少年の健やかな成長を願って昭和40年に創立されて以来、数々の輝かしい足跡を残され、ここに20周年を迎えられましたことを心からお祝い申し上げます。
 貴連盟のこれまでの歩みは、本市が首都圏における中核都市として発展して来た歩みと軌をーにするものでありますが、この間には本市が人口急増という試練があったと同様に、貴連盟におかれましても数多くの試練や御苦労があったことと推察いたします。
 とりわけ、年少者を対象とした音楽活動の指導・育成は難しいと言われる中で、早くから指導者の育成に努め、また、鼓笛バンドやバトン活動を通じて、子ども達の知育・体育の向上とともに、助け合い、自然愛護などの情操教育にも積極的に取り組まれ、今日では19の鼓笛隊、1,600人の会員を擁する全国的にも有数の鼓笛バンド連盟を築かれましたことは、貴連盟関係者の並々ならぬ御尽力の賜と深く敬意を表する次第です。
 さて、近年、青少年を取り巻く生活環境は著しく変化し、青少年の健全な成長にとって必ずしも好ましい状況にあるとは言えません。
 こうしたなか、市では、次代を担う青少年が豊かな人間形成を図り、健全な社会人として自立していくことを願い施策を推進しておりますが、私は、さらに青少年にとって望ましい環境を創造するため、学校、家庭をはじめ地域全体が一体となった市民総ぐるみの健全育成活動に積極的に取り組んでまいる所存であります。
 相模原市少年鼓笛バンド連盟の御活躍を大いに期待しますとともに、20周年を契機として、ますます発展、充実されますようお祈り申し上げましてお祝いのことばといたします。


ご挨拶

相模原市教育委員会教育長
小野澤義雄

 相模原市少年鼓笛バンド連盟が、ここに創立20周年を迎えられましたことに対し、心からお祝い申し上げます。
 また、記念事業の一環として記念誌が刊行されますことは、これまでの貴連盟の発展の足跡を振り返るだけでなく、本市の青少年活動の発展の礎石として、また将来へのよき指針として大変意義深いものであり、関係各位に対し深甚なる感謝と敬意を表する次第です。
 さて、地域少年鼓笛隊を母体に少年鼓笛バンド連盟が発足したのは昭和40年だと伺っております。当時と比べ子ども達を巡る社会環境は大きく変化しておりますが、この間変わることなく鼓笛活動を通じて、音楽教育の発展のみならず、子ども達の知育、体育、情操のそれぞれの向上にも心を配られ、正しく健やかな青少年の人格形成のため御努力されてきたことは、まことに意義深いものがあります。
 鼓笛まつりやドリル大会に老人ホームのお年寄りを招待されたり、自然保護のための一円玉募金や交通安全パレードなどを実施されていることは社会教育活動として特筆すべきものだと思います。
 物質的には豊かになり、知識も豊富になった反面、ひ弱で自立心に欠けるといわれる今日の子ども達ですが、集団活動を通じて様々な経験を重ね自立心や仲間との協調性を養い、盟かな人間形成を図る少年期の社会教育活動の重要性は今日ますます高まっております。市といたしましても、こうした社会教育活動が今後更に活発になるよう、諸環境の整備に努めてまいりたいと存じます。
 最後になりましたが貴連盟のますますの御発展と関係各位の御多幸をお祈り申し上げまして、ごあいさつといたします。


21世紀をめざして

全日本鼓笛バンド連盟本部長
新宅安二

 世を挙げて21世紀を目指しての、種々様々の催し事が毎日のように繰り広げられてゆく。
 神奈川県の一角で産声(うぶこえ)を元気に挙げた相模原市少年鼓笛バンド連盟も、早や20周年を迎えるとあってビックリ致しました。
 今更、ここに説明するまでも無く、全日本鼓笛バンド連盟が、戦後の暗い世相の中に、一条の明るい光の構成の一端と、崩れ切った青少年達の心の支えにと、昭和26年に、乏しい楽器(むしろ皆無と言っても過言はない)を寄せ集めて、ようやく下駄履きの鼓笛隊を編成した。勢揃いした者は数えて13名で、内1名はコンダクターです。横笛があっても、タテ笛などないのでした。現在は、管楽器はもちろんの事、有り余る高価な楽器と、豊富な人材の指導者、海外バンドにそっくりの衣装、目を見張る長身の女性バンドマン、見事な指揮法、誰れ1人として、かっての貧しく、全べてに乏しかった時代を思い浮かべる者はいない。
 それではと、過去と比較して見ると、どうしたのか、形ばかりに捉われる動き、何と至難な不協和音、歩き方、勝敗に賭けるが、その事の他は一切を振り向かない。このような世界に毅然とした態度を持ち続けた相模原市少年鼓笛バンドに大いなる敬意を表する1人です。
 或る人は、音楽は魔術だと言った。長く此の世界に住んでいる者には、肯定も否定もしないのです。演奏者にとっても、指迎する側に立つ者にとっても無関係なのです。全能を傾けて、只、ひたすらに演奏と演技に没頭し続ける。ここに21世紀が明ける。無から有を生み出す、20周年を迎えた相鼓連は、すでにこの世界に没入し、成人になったのです。おめでとう。


20周年記念誌発刊を祝して

相鼓連初代会長
酒井昌一郎

 相模原市少年鼓笛バンド連盟が、ここにめでたく創立20周年を迎えられたことを心からお喜び申し上げます。また、このたび記念誌を刊行され、連盟創立以来の歩みを記録にとどめ、今後の発展の資とされますことは、まことに意義深く御同慶のいたりに存じます。
 昭和38年、子ども会連絡協議会が結成され年次その内容充実がはかられてきましたが、その中から鼓笛隊誕生の芽吹きが生まれ培ってまいりました。
 一方、器具購入に際しての県の助成、運営に係る市の助成等々、条件整備にも話し合いが深められ、昭和40年から、昭和41年にかけ、学校教育をはなれた社会教育活動の分野での鼓笛隊の誕生を見、連盟へと発展してきました。
 20年の歳月は非常に長かったように感じられますが、鼓笛隊やバトン結成のために各地区ととに行われた話し合いの一言一句が昨日のことのように鮮明に、いま想起されます。
 人間が人間らしく生きるための人格形成の大目標に向って、鼓笛バンドを通じ子どもたちが仲間同志、連帯感をはぐくみ、仲間の中での自分の役割を果たすことの大切さを養い、情緒豊かな活動を展開していくことは非常に大切なことと存じます。
 また、この活動を支え導き、昨日から今日へ、今日から明日へ、少年鼓笛バンド連盟の歴史をつづるおとなの責務も欠かすことのできない重大な役割であると思われます。
 今年は、国際青年の年でもあります。創立20周年の輝かしいこの大きな節目を契機とされ、21世紀をになう子どもたちのあるべき姿を追求し、これからも益々発展されることをお祈り申しあげまして、お祝いのことばといたします。


お祝いのことば

相模原市子ども会育成連絡協議会会長
山下義幸

 相模原市少年鼓笛バンド連盟がここにめでたく創立20周年を迎えられましたことを心からお祝い申し上げます。
 貴少年鼓笛バンドが昭和40年に発足し子ども達が音楽を通じて自発性、協調性、主体性、創造性を保ち隊員が連帯性を養い清らかな心を育て健やかな成長を願うものである。各地域の皆様の手によって各地区には次々に鼓笛バンドが誕生して来たものと思います。
 隊員達は相互の連携と自主性を図り、団体活動が十二分に発揮出来る隊となりました。隊員達には無限の可能性を秘めており、清らかなリズムをかなでながら大空に向う気持ちで仲間づくりを目ざし、仲間と手をつなぎ合いながら、苦しいこと楽しいことなどを体験し個人を鍛える場としては少年鼓笛バンドが最高の環境であると思います。豊かな人間形成を図るためには欠くことの出来ないものであると思われます。
 少年鼓笛バンドの果たす役割は大変意義深いものであると言えましよう。役員、指導者の皆々様には隊員の環境づくりが、ひいては青少年の健全育成にもかかわるものだと思います。
 最後になりましたが貴少年鼓笛バンド連盟のますますの御発展と御活躍をお祈り申し上げお祝いのことばといたします。