「創立20周年記念誌」より Vol.3~活動について

昭和60年に制作した「創立20周年記念誌」を掲載しています。

相鼓連の目的と活動内容

 現在、相鼓連には小学生隊17隊、中高生のジュニアバンド鼓笛2隊の計19隊が加盟し、加盟隊員数約1,300名という大世帯で活動を推進しています。
 当初の鼓笛隊は、子ども会の一部門として始められたものが多かったようです。各地域で活動する隊数の増加、活動の活発化とともに、行事への参加依頼もふえたため、出場の調整をする機関の必要性が生まれてきました。また、各隊の協力、技術向上のための講習会も切望されるようになり連盟が必要となってきました。こうして、市教委の助言、協力を得ながら昭和41年6月27日に連盟設立のための総会が開かれ、相鼓連が発足して以来、以下の指導方針を守り健全な子どもたちを育成すべく20年の歩みを続けてきました。
相鼓連指導方針
 相鼓連は音楽活動を基に望ましい人間と社会を創造して文化国家建設に寄与することを目的とした青少年健全育成の社会団体である。
(指導綱領)
第1. 私たちは鼓笛隊活動を通じて音楽教育の発展と正しく健やかな青少年の人格の育成に努める。
 音楽を行動化し、音楽のもつ本質的な歓びと人間本質の中にひそむ芸術性を引き出し、自ら演奏して共に喜び合う。知らず知らずのうちに培われる豊かな情操美感や責任と協調性を身につけ、激しい訓練によって体力を増進させ、人間形成の場とする。
第2 . 鼓笛隊(チーム)相互の親睦を図り、常に実践を重ねて技術の向上に努める。
 相鼓連全体の指導者としての自覚をもち、いささかも差別感や偏見をもつことなく広く隊員を愛し、相鼓連全体の発展のために貢献する心構えでなければならない。
 以上の綱領に基づき、次の方針を設定した。
(1) 集団活動による生活指導
(2) 豊かな情操感情を培う
(3) 体力の増進
以上の目的・方針のもとに、毎年各隊ごと、また相鼓連として地域のまつりや行事・市の主な行事・全鼓連関係の行事に積極的に参加し行事に花をそえ、盛り上げてきました。特に市の大きな行事である市民祭には、全隊総出でパレードやドリル演奏を行い、市民体育祭の昼休みには19隊1,300名による合同演奏を行い注目されています。
 この他、相鼓連独自の事業・教育委員会の委託事業を開催・運営し、年間を通して活発な活動が展開されています。


鼓笛まつり

 鼓笛まつりは毎年3月に市民会館で開催され、既に17回を数えています。
 相鼓連が結成されて3 年目、当時の役員や指導者は、年間を通して鼓笛隊の活動が活発に展開されるにはどうしたらよいかについて知恵をしぼっていました。というのは、各種の出演行事が秋にはほぼ終了してしまい、それから翌年の春までは練習がなくなり、日常活動が休止してしまう傾向が出てきたためです。子どもたちの活動を休止しないで目標をもって練習に励むようにという願いをこめて生まれたのが、1年間の活動の集大成の場としての鼓笛まつりでした。昭和44年の3月のことでした。
 当初は、観客の動員、運営資金の確保等に懸念がありましたが、第4回以降、教育委員会が主催し、相鼓連が主管する形で、教育委員会の援助が得られるようになり、課題も解決しました。
 鼓笛まつりは隊員にとって最も晴れがましい舞台であり、最も緊張する場面でもあります。多くの観客を前にしての演奏は貴重な経験となり、その一つ一つの場面が深く脳裡に刻み込まれています。また、他の隊の演奏に接することにより多くの教訓を受け、次の年への取り組みの意欲が生まれ、目標が定まっていくわけです。
 近年、隊数・隊員数ともにふくれあがったために、午前・午後の二部制を採用し、合わせて交通安全や障害者福祉を市民にアピ-ルするためにパレードも行うようになりました。また、会場内では一円玉募金を呼びかけるなど、相鼓連として積極的に社会に参加していく活動も展開しています。
 相鼓連の活動・各隊の活動の充実のために果たしてきた鼓笛まつりの役割は極めて大きいものです。今後も鼓笛まつりは相鼓連の重要な柱として、また、隊員の大きな目標として発展させていかなければなりません。


ドリル大会

昭和55年の夏、東京の武道館では全鼓連の全国大会が開かれていました。相鼓連のジュニアリーダー養成講習会の受講生の各隊から集まった6年生によるドリル演奏があの広い会場いっぱいに繰り広げられました。すばらしい演奏・演技に満場の拍手を浴び、『コテキ』の文字が歩きながら退場しました。各隊の6年生はこの日のために2泊3日の合宿練習と1日練習が数日という厳しい練習を重ねてきました。
 このすばらしい体験と役員や指導者の感激から相鼓連でも広い会場で思い切りドリルをやらせる機会を持ちたいという声が上がるようになりました。もちろん鼓笛活動は演奏だけでなく、パレード、隊型変換(ドリル)にも積極的に取り組まなければならないというよりは、主となる活動にする必要性は感じられてはいたものの、場所も機会も少なかったようです。鼓笛まつりの際、あの狭い市民会館の舞台で小さな動きをするのが、精一杯の有様でした。
 次の年、昭和56年に市立総合体育館が完成し、その落成式にその年の全6年生のドリル演奏を披露することができました。落成後2か月足らずの12月27日に会長の努カで大体育館が確保され、広い会場で各隊のドリル演奏を楽しむ機会が意外にはやく訪れました。ところが、話が急に持ち上がったところから、各隊から賛否両論が聞かれ一時混乱しました。が、「とにかくパレードだけでも良い、何か動きのある演奏をしよう』「せっかくの機会をのがすと、今後実施できるかどうかわからない。」ということでとにかく第1回ドリル大会を開くことになりました。この年は国際障害者年の年でもあることから、国際障害者年協賛事業とし、創立15周年を契機に行われている社会参加事業の一環として障害者手づくり品展示・販売と福祉募金も計画に加えられ、年の暮れの忙しく、寒い中、盛大に第1回ドリル大会が行われました。
 鼓笛まつりは、相模原市教育委員会の主催によるものですが、このドリル大会は相鼓連主催の事業として発足しました。鼓笛まつりを「音と光のハーモニー」とすれば、ドリル大会は「音と動きのハーモニー」とでも言え、それぞれ違う立場で鼓笛活動を披露する場となり得ました。
 第1回大会では、人退場の行進での動きしかできなかったり、動きがチグハグだったりでした。年々各隊が刺激し合いすばらしい動きをみせてくれるようになっています。今年はもう第5回を数えます。これからもご声援お願いします。 

 


隊員研修会

 相鼓連の事業の中に隊員研修があります。リーダー講習会・合同練習会•初心者講習会・ジュニアリーダー養成講習会です。いづれも、隊員相互の親睦および技術の向上がねらいとして共通していますが、各講習会それぞれ特色をもっています。
◎リーダー講習会
 各小学生隊(17隊)のパートリーダーの講習会です。教育委員会の委託事業でもあります。
 リーダーとしての役割りがこの講習会の主なものですが、基礎練習の仕方、指定曲の奏法の共通化、指揮法の共通化を図り、どのパートもどこの指揮者の合図で指定曲は演奏できます。
 隊員たちは、ここで研修したことを自分の隊へ持ち婦り、他の隊員に伝達します。以前は、初心者講習の要素も含まれていましたが現在は前にも述べましたが、各パートのリーダーのみの参加となっています。
◎合同練習会
 前記の講習会の後に開催されます。この練習会は、市内の全隊員が参加しますので、会場は熱気につつまれます。主に小学校の施設をお借りして、パート別に練習をし、リーダー講習会同様、共通曲をジュニアの隊員のマンツーマンの指導で練習し、最後に合同演奏をします。この成果は、市民体育祭において発揮されます。
◎初心者講習会
 現在の鼓笛隊は、時代の移り変わりによってその形は、だんだんと変化してきています。隊員達の服装や、楽器の編成、演奏曲目の多様化など、指導者にとってはその対応にとても苦労されていると思います。また隊員達も色々な新しい楽器に触れる機会が多くなり期待と不安、喜びと疑問などさまざまな経験をしてきていると思います。そういう状況を通しながら、各隊数十名の編成の中で、限られた指導者ですべての楽器を個々に網羅する事は難しく、特にある程度の技術を要するパートなどは、基本的な事を教えるだけでも大変だと思います。その様な中で連盟として各隊の指導者のお手伝いを少しでもできればと、始めたのが初心者講習会です。これは主に年度当初の楽器替えの時期に開講し、隊員が不慣れな新しい楽器に少しでも早くなじんで演奏できる様になる事を目的としたものです。開講楽器はドラム、金管、木管楽器、バトン、指揮法を中心に実施しています。講習の内容は主に基本的な事を中心に、楽器の正しい使い方や、日々の手入れの方法、姿勢、奏法、正しい音の出し方などについて指導をしています。


ジュニアリーダー養成講習会

 鼓笛隊の指導者は、音楽技術の指導だけでなく生活指導や仲間づくりまで細かな心づかいが要求されます。しかも休日返上で献身的に活動できる有能な指導者の確保は、各隊共通の課題です。
 将来的な指導者の確保を展望し、現在の隊の活動の充実をめざしてジュニアリーダー養成講習会が開催されるようになったのが昭和54年のことでした。その年は国際児童年で、相鼓連は各隊の6年生で編成したチームを名古屋で開かれた中央大会に派遣しました。猛暑と強行日程でしたが充実した演技を披露でき、楽しい思い出もつくれました。
 せっかくのチームを名古屋遠征だけで解散するのはあまりに惜しいという声があがって、前述のような課題の克服のために、6年生全員を対象としてジュニアリーダー蓑成講習会を毎月1回の割で開くようになりました。
 会場確保、隊員輸送、指導分担など困難な問題もたくさんありましたが、役員、指導者、ジュニアバンド隊等の協力のお陰で着実に積み上げが図られています。
 将来、鼓笛隊の指導者になる人の数は少ないかも知れませんが、社会教育に理解をもち、協力を惜しまない成人になってくれることを期待して講習は展開されます。従って講習内容は演奏技術だけでなく、社会教育に関する講義、仲間づくりのためのゲームや話し合いの訓練など多岐にわたります。合宿生活を通しての訓練も行われます。
 中学生になると部活動のために小学生隊員の面倒をなかなかみられないなどの悩みもあります。さらに充実した養成講習にするためには、指導者の確保や指祁内容の充実、育成会や役員の協力体制の確立など様々な問題をかかえていますが、長い目でみつめながらしっかりと歩みを続けなければならない軍要な活動です。


ジュニアリーダー養成講習会(昭和60年度の活動)

◎昭和60年度の活動の柱として

 1.自分を表現していこう。
 2.仲間づくり、友達づくりをしよう。
 3.鼓笛の知識を体験しながら知ろう。
  をかかげて行っています。
その中で行われた合宿の様子を紹介します。

班活動で
㋐ 鼓笛の活動のイメージを絵にしてみました。


㋑ オリエンテーリング
追跡ハイキングになりました。並木小を中心として、地域の7ケ所にポイントを置いて、問題に答えながら次の目的地をさかしました。その時の賞状です。

全体での歩行やドリル練習風景

※紙面作成のためにボールペンで書き込みされています。